ジロウ君が悲しんでいるのは、ボクがお腹を痛くてし ばらくお泊まりをしたからだ。病院って場所に泊まったんだけど、痛い事されて…寒くて薬の匂いがして、とても嫌な所だった。出来ればあんなところに、お泊まりしたくないよ。

 


運良く退院できたんだけど、翌日ボクの横にハナコが寝ていた。ジロウ君が言うには「ハナコはずっと心配そうだった」って言うんだ 。なぜかな?どうしてボクのことが心配なのかな…でも思った、彦ぷんの布団に潜り込んだ時みたいで、とても暖かかった。

 



僕らは最近よく一緒にいる。彼女は寂しがりだから、1番大きなボクのそばにいると安心なんだってさ、そばにいるとハナコはいつも目がとろ〜んとして寝ちゃうんだよ、安心って…お腹がいっぱいになった時みたいなモノかな?

 


ケンカをした…ボクのバスケットボールを、又彼女が自分のハンモックに持って行ったから。
最近ハナコは調子が悪いらしい、どういう風にかボクにも解らないが…彦ぷんが仕事で忙しそうな時の「イラだっている」とかってのに似ている。


 


すぐに、仲直りした、ボクもハナコの暖かさに安心ってのを感じる気がする。

 


春…ボクが寝てるときに、ハナコが彦ぷんに連れられて出て行ったらしい。病院へ行ったとジロウ君が言ってた。痛い事されていないかなぁ。その日から数日ハナコは帰って来なかった。あの寒くて薬臭いところでハナコは泣いてるんじゃないかな…ボクは泣いた。

 


数日後、ハナコは帰って来た。いっぱい痛い事されたらしいけど、怖いからボクは詳しくは聞かなかった、「腫瘍」なんだって、どんな病気か知らないけど…でも帰って来たんだから、きっと大したことないんだね。
ハナコも最近太ってきたし。
〔「7年目その2」に続く)



   
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その2